お茶が心を救うー心を整える季節ー



こんにちは。こまちです。

いよいよ5月ですね。今年の八十八夜は5月1日でした。全国のお茶摘みもだいぶ進んだようです。
先日(5月5日)は立夏ということで、ついに夏に入りましたね。

初夏のため、比較的過ごしやすい気候で、新緑がキラキラと眩しい爽やかな季節。

晴れの日も多く、自然と気持ちが上向きになりますし、心が躍りますね。

一方で、「五月病」という言葉もあるほど、5月は春の疲れやストレスが押し寄せてきて、心病んでしまう人も少なくないとか。


東洋医学では、夏は「心の季節」とも言われています。
この「心」とは物理的な「心臓」でもあり、精神的な「心」でもあります。

なんだか「五月病」にも関係していそうですね。

夏の始まる今、しっかり「心」を整える必要がありそうです。

東洋医学の「心」

気温の高い夏は、東洋医学における”五臓”の中でも「心」の活動が最も活発になる季節だそうです。
「心」といえば、心臓は生命活動の中心であり、血液のポンプとも呼ばれていますね。
暑さで汗をかくことにより、血液中の水分を失います。結果、心臓に負担がかかりやすくなってしまいます。
そのため、夏は特に、様々な心臓関連の不調に注意する必要があります。

また、心臓と精神(脳)は密接に関わっているとも研究されています。
過度のストレスは心拍数の増加や心筋収縮力の増強を引き起こし、動悸や血圧上昇など様々な症状に繋がり、心臓の負担を招きます。
「心」の働きが乱れることで、全身の血の巡りが悪くなり、不安や不眠、焦燥感など精神面の症状が現れることもあるそうです。

夏が本格化する前に、今一度、心臓も心も整えておきたいですね。

心臓には「苦味」を

「心」を整えるにはどうすれば良いのでしょうか。東洋医学では食べ物を「酸味、苦味、甘み、辛み、塩辛さ」の”五味”に分類していますが、
「心」が弱っている時は、「苦味」を与えるのが良いそうです。

夏は体内に熱がこもりやすく、心拍数の増加につながるので、体内の熱を冷ます食べ物を積極的に取り入れる必要があります。
苦味は、活発になり過ぎた心臓の働きを抑え、体内の熱を冷ます効果があるのです。
例えば沖縄でゴーヤがよく食べられるのは、とても理にかなっていますね。
苦味のある食材は解毒や除湿の効果もあり、ゴーヤの他に、セロリやピーマンなどがあります。どれも夏野菜です。
美味しい旬の食べ物から苦味を取り入れて、「心」を守りたいですね。

お茶で心臓を労る

苦味、といえば勘の良い方はもうお気づきかもしれません。
そうです、お茶です。煎茶や抹茶など、緑茶には苦味がありますよね。
緑茶は体内を冷やす飲み物です。

お茶は、昔から中国では不老長寿の薬とされており、日本でもそのように広まりました。
鎌倉時代、源頼朝が二日酔いをお茶で治したという文献も残っています。
当時の「喫茶養生記」という文献には、先述した通り、「心臓には苦味が必要なのだ」ということが、お茶の効能とともに記されているのです。

中国人は五味の食べ物をバランスよくとっているので、五臓の調子がよく長生きするのに対し、
日本人は酸味、甘み、辛み、塩辛さはそこそことっているが、苦味をとることが少ないため、心臓を悪くして早死にする人が多いので、お茶を飲みなさいと書かれています。



鎌倉時代「喫茶養生記」と「喫茶養生記」を書いた栄西禅師

確かに和食には苦味を感じる食べ物は少ないですよね。今でこそ野菜の種類も豊富ですが、当時は限られていました。

そこでお茶で苦味をとることが心臓を整えるとされていたのですね。

実際、研究で次々と解明されてきているお茶の効能の一つが心臓病のリスクの低下です。
緑茶に含まれるカテキンなどのポリフェノールは苦渋み成分のもとです。
お茶を習慣的に飲んでいる人たちは、飲んでいない人たちに比べて、心臓病の発症リスクが低かったという研究から、
カテキンなどの苦渋み成分が心臓を保護する効果があるということがわかってきています。


改めて、昔の人はすごいですね。

お茶を飲むことで心臓を労ることができる、というのはお分かりいただけたと思います。

※もちろん、冷え性の人や、利尿作用もあるので過剰摂取はおすすめしません。

では精神の方の「心」はどうでしょうか。

お茶で心を労る

心臓は異常なくても、心にストレスを抱えていては、身体に不調が出るのも時間の問題です。


お茶を飲む時間というのは、やはりリラックスしますよね。
そういったゆったりな時間を取ることはストレスを減らすことにも繋がります。

もっというと、お茶には苦渋み成分の他に、うま味成分のテアニンが含まれています。これはお茶特有のアミノ酸成分です。
このテアニンに、リラックス効果やストレス軽減作用があることも解明されています。

緑茶は体内を冷やしてしまいますが、神経科学の研究では温かい飲み物で舌と手を温めると、前向きな気分になるという効果も出ているそう。

温かいお茶を飲むだけで、心臓にも精神的にもメリットがあるなんて、お得感(?)がありますね!

お茶が心を救う

いかがでしたか?暑さが本格化する前に、ぜひお茶を飲む習慣をつけて、心臓と心を労ってあげてくださいね。

「心と身体に気をつけてね」とお世話になっている方にお茶を贈るのも、良いですね。

自粛が続き、いくらもう慣れっことはいえ、ストレスは溜まるもの。

適宜「心」をケアしていきましょう。

【この記事を書いた人: こまち】
日本茶ソムリエ(*)、オラクルカードリーダー、お茶やオラクルカードを通じて【心と暮らしをラクにする】を考えるのが趣味。禅や占星術なども。
Tea Futohには"お茶のある暮らし"が広まるよう参画・活動しています。
noteにて他にもいろいろ書いています▶︎ https://lit.link/comachi

*日本茶ソムリエ = NPO日本茶インストラクター協会認定資格「日本茶インストラクター」を取得しています


Drip Teaで気軽にカテキンを。日本茶で特にカテキンが多いのは 煎茶