季節を意識する暮らしの中で


こんにちは。こまちです。

過去に何度か、季節の和菓子の話をしたと思うのですが、
今日は季節を意識して暮らす中で私に起きた心の変化のお話をしようと思います。

と、その前に、季節を意識して暮らす際にぴったりな飲み物といえば日本茶ではないでしょうか。

私は個人的に、日本茶は「最も季節を感じさせてくれる嗜好飲料」と考えております。

なぜなら、季節の和菓子が存在するからです。

和菓子といえば、合わせたくなるのはやっぱり、煎茶や抹茶、ほうじ茶など日本茶ではないですか?

私は日本茶を飲むようになって、合わせるお菓子を考えるようになったのですが、
それで考えるのが季節の和菓子です。

今月の和菓子といえば、こどもの日の柏餅でした。
(楽しみすぎて、2日前に食べてしまったのですけれど。。)

そして和菓子や季節に合わせてお茶を選んだり(秋冬ならほうじ茶や番茶、夏は水出しなど)、
茶器やお皿も季節に合わせたりできます。
お家で簡単に季節感を出し、季節を楽しむことができるのもまた魅力の一つ。

まさに日本茶は季節を意識した暮らしのお供になるのです。

さて、そんなふうに私が、お茶と和菓子を通じて季節を意識しながら暮らすようになって、4つの心の変化を感じました。

一、毎月の楽しみができる

一月は花びら餅、二月は草餅、三月は桜餅…というように毎月、和菓子屋さんにはその季節に合った和菓子が並びます。
(毎月は京都だけかもしれませんが...)

最近ではスーパーでも見かけますね。
「この日は和菓子とお茶でゆっくりする日にするぞ」と、予め休息の日を決めたりします。

京都の和菓子屋さんの6月のショーケース


流石に毎月はちょっと、と思う方は、二十四節気を意識すると良いかもしれません。

夏至や春分、立夏、など聞いたことはありませんか?

二十四節気は1年を24等分し、約15日ごとに節気を分けたものです。
太陽の動きを元に作られており、季節を知る目安として、今も使われています。

その中で特にメインとなるのが

春分(3/20頃)、秋分(9/23頃)の二分(昼夜の時間の長さが同じになる日)、

夏至(6/21頃・最も昼が長い日)・冬至(12/22頃・最も昼が短い日)の二至、

立春(2/3頃)・立夏(5/5頃)・立秋(8/7頃)・立冬(11/7頃)の四立(暦上、各季節の始まり)です。



季節をあらわす言葉として根付いており、
これらは毎月ではないので、程よい間隔で定期的に、季節を味わうお茶の時間を作ることができます。

二、テンションが上がる

立春、立夏、立秋、立冬はそれぞれの季節の始まり、とは言われておりますが、
暦上はそうであっても、現在の季節感とややズレが生じています。

例えば立春は2/2頃ですし、まだまだ寒いです。しかし「立春がきた」と知るだけで、あたたかい季節が好きな私としてはなんだか気分が上がります。

「まだ寒いけど、暦上は春なんだ。もう春が来たんだ。もう冬は越えたんだ。」と少しワクワクするのです。

あなたが好きな季節はいつですか?


暦上だけでも好きな季節が先取りできると、それだけでなんだか気分も上がりますよ。

三、「今」を味わう

私たちは普段から、先の予定や将来のことを考えたりして生きることが多いと思うのですが、
そうすると見えない不安に襲われたり、生き急いでしまったり、どうも「今この瞬間」を生きていない状態になってしまいます。


季節を意識していないと、節目であっても「今日は夏至?ふーん。そんなことより…」と
特別何もせずにいつもと同じ日を過ごすかもしれませんね。

天気予報のニュースなどでは大きな節目は必ず話題に上がりますが、
そもそも忙しく過ごすあまり、節目の日であることにも気づかないかもしれません。

最近は二十四節気が入力されているカレンダーアプリもありますので、少しだけでも意識してみてはどうでしょうか。

夏っぽいお菓子、例えば水羊羹を用意して、お茶は水出しのお茶でグラスに注いで、

「今日は夏至か〜だいぶ暑くなったな」なんてお茶する時間をとってみることで
先を急ぎすぎていた心は完全に「夏至の、今この瞬間」に戻されます。

そうすると、
「ここ最近、ずっと忙しくしてたな。」と心の疲労に気づけたり、
「今の自分」にちゃんと目を向ける余裕ができます。

ふと立ち止まり、「今」を味わうきっかけになるのです。

四、「時の流れ」と「諸行無常」を体感する

毎日同じことの繰り返しのように感じるかもしれませんが、確かに日々変化しています。
それを最も感じさせてくれるのが、季節です。
お茶と和菓子を食べながら、
「今日は立秋。立夏からもう2ヶ月経ったのか。あの時と比べて、今の自分はどうかな?」と
季節だけではなく、自分の変化や成長を考えてみたり、

「去年の立秋からもう一年か。去年は何食べたかな?」なんて前年を思い出し、

時の流れを感じるきっかけにもなります。

お茶と和菓子の写真を撮っておくのもまたひとつの楽しみです。


そして昨年は、どんなに毎日、毎年、同じようなことの繰り返しで、この先ずっとそのように見えても
「変わらないものはない」ということを痛感した人も多いのではないでしょうか。

この世は諸行無常。
変わらないものはないからこそ、
今この瞬間を大切に生きようと思いますね。

このことは生活していると忘れがちになりますが、
たまに季節の和菓子とともにお茶を楽しむことで
そういうことを思い出させてくれるお茶の時間にもなるような気がします。

「変わらないものがない」というのは良いことも、悪いことも、です。
好ましくない現状がこの先ずっと続くように見えるかもしれない中でも、
「そんなことはきっとない」そう心を強く持ちたいこの頃でもあります。

日本茶と共に季節を意識した暮らしを

話はやや壮大になりかけましたが、子供の頃は学校もあり、
季節ごとのイベントなどそれは一大イベントのように感じていましたよね。
大人になるにつれ、特に一人暮らしの場合は
そのようなイベントはなくなり、季節にも鈍くなってきます。
「あれ?明日立秋なの?」なんて思ったら、
ちょっと季節のお菓子を買ってきて、お茶するだけで
心が豊かになるかもしれません。



【この記事を書いた人: こまち】
日本茶ソムリエ(*)、オラクルカードリーダー、お茶やオラクルカードを通じて【心と暮らしをラクにする】を考えるのが趣味。禅や占星術なども。
Tea Futohには"お茶のある暮らし"が広まるよう参画・活動しています。
noteにて他にもいろいろ書いています▶︎ https://lit.link/comachi

*日本茶ソムリエ = NPO日本茶インストラクター協会認定資格「日本茶インストラクター」を取得しています

 


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