梅ヶ島のお茶|産地便り|春の静岡県 Part 1

日本茶の新茶シーズンの産地訪問、本日は静岡県梅ヶ島です。
山深い畑と地層の地域、深い滋味を持つ煎茶が育つ地域をご紹介していきます。

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【目次】

  • 梅ヶ島地域について
  • 大代地区
  • フォッサマグナ 

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梅ヶ島地域についてicon

梅ヶ島は静岡県静岡市を流れる安倍川の上流の地域です。

山を越せば山梨県。
山間に点在する集落には武田信玄が開いた金鉱や温泉があったりと隠れ里のようなエリアです。

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静岡駅から車で北上。安倍川の源流域、山梨県との県境です



梅ヶ島は、静岡県の奥座敷。
クマタカ、ニホンカモシカ、ホンドモモンガ等の動物が生息し、渓流には、アマゴ、カジカなど、魚類では、アユ、オイカワなどが生息しています。

名産品はお茶だけではなく、水の綺麗なところで育つわさび 栽培の発祥の地でもあり、豊かな自然が残っているエリアです。

ここでは山の奥深くに小さな集落が点在してお茶が作られています。


今回は山深い銘茶の産地、梅ヶ島の集落の様子をご紹介します。 

まずは 大代(おおじろ)地区icon

梅ヶ島で最大の茶産地で12軒程度の農家さんがお茶を作られています。

静岡市内から車で1時間。細い山道を進むと、突然視界が開け、山に囲まれた南向き斜面に茶畑が広がります。


隠れ里という言葉がぴったり
標高750m、山の中に突如現れる大代地区が展望できる場所へ

隠れ里の茶畑。澄んだ空気が流れる山間です


茶畑にはカモシカもヒルもたくさん出ます。
害虫は化学薬品を使わないよう塩水で退治しているそうです。


志村春男さん「葉の香りが一番良いタイミングで摘みます。畑を巡って葉の状態を見極めます。」



さて、梅ヶ島は日本列島東西を分けるフォッサマグナの構造線の断層地域。

フォッサマグナ?学校で習ったような・・用語ですね。

フォッサマグナと糸魚川-静岡構造線icon

フォッサマグナ とは、日本列島の東と西の境の場所で古い地層に新しい時代の岩石がつまってできたエリアです。西は静岡〜東は千葉のエリアになりますが、このフォッサマグナの境目が糸魚川-静岡構造線と呼ばれこの地域になると考えられています。
日本の東西を分ける断層、地質的に特異な地域。

ここ梅ヶ島の地層は、3千万年以前~約6千万年以前の時代のものとも考えられます。
古い地質は栄養素多く含んでいるため、古い地層の地域で育つお茶は香りや味の立つ力強いお茶ができると言われています。
まさに梅ヶ島の土地が持つ力で、この地特有の茶樹が育てられているのです。


土壌のパワーは偉大です

志村さんに茶畑を案内していただいている場面。岩肌の上に茶畑があります。


(それにしても足が早くて、追いつくのにゼーゼーします)



フォッサマグナの境界線で育ったお茶・・・わくわくしませんか?
ティーフートでは梅ヶ島地域の茶葉を煎茶にしています。


梅ヶ島のお茶の魅力はまだまだこれからですが、今回はここまで。
次回は梅ヶ島の他集落をご紹介します。

 

この記事を書いた人:こふゆ

<参考文献>
梅ヶ島土壌について 岩橋 徹 静岡大学地学研究報告 : 地学しずはた
安倍川水系の流域及び河川の概要:平成16年4月 国土交通省河川局

梅ヶ島の茶葉を煎茶にしました Drip Tea 煎茶

梅ヶ島の産地紹介Part2はこちら