梅ヶ島のお茶|産地便り|春の静岡県 Part 2
こんにちは、こふゆです。
今回は前編に続き
煎茶の産地、静岡県梅ヶ島地区のご紹介です。
【目次】
- 日本三大崩壊!?
- 新田地区
- 戸持地区
- 東峰地区
- 茶産地、梅ヶ島について
日本三大崩壊
日本の三大◯◯とはよく聞きますが「崩壊」とは、少々怖いですよね。
崩落地の中から、地震などで崩落した場所3ヶ所が「日本三大崩れ」と言われ、この梅ヶ島は長野県小谷村、富山県立山町と並ぶ三大崩れの地となっています。
前回、フォッサマグナの境界線にある梅ヶ島の特異な地層を紹介しました。
(前回の記事はこちらからどうぞ)
梅ヶ島は、地層に岩石が多い、山の斜面が急傾斜であるという地形的条件と、
気温差の日周・年周が大きく、かつ多雨地帯であるという気候的条件が相まって、
日本有数の山肌の崩壊地区です。
梅ヶ島にある「大谷崩れ」 日本三大崩壊の一つ。目の前で見ると大迫力です。
崩壊が多いということは、非常に厳しい環境です。
ですが、地上に降った雨は、岩質の土壌を浸透してきれいな水流となります。
そして山奥の入り組んだ地形により、霧が多く出ます。
霧は日光を遮るため、茶の葉の光合成を抑制し、うまみのある茶葉ができます。
こうして地質、水、霧、全てが茶の葉を特別なものにしてくれます。
梅ヶ島の茶葉は、力強い香りと滋味を持っている理由ですね。
それでは、梅ヶ島の集落をご紹介します。
新田地区
土砂崩れで流れた土砂が対流してできた土地です。
新田地区に入ると、山の中にぽっかりと平地が開け、茶畑ができています。
訪れた5月11日は新茶の収穫2日目。
今年(2021年)の静岡県は、4月中旬から茶摘みが始まった事を考えると、収穫時期がかなり遅い寒冷地区です。
標高750メートルの茶産地、約10名の農家さんがいらっしゃる新田地区。
杉山さん「ゴールデンウィークで気温0度ぐらいの場所です。年々作り手が減ってしまっていますが、今年の新茶もデキが良いですよ」
戸持(ともち)地区
次は戸持地区です。ひっそりと、まさに隠れ里のような地区です。人口も30名ほど。
山向こうに見えるのが前回紹介した大代地区。
静かな風が流れる穏やかな集落です。
しばし座り込んで茶畑を眺めます。
東峰地区
そして、日本の茶畑で最も標高が高い東峰地区。
標高1,000m。かなりの山道を登って辿り着けました。
茶産地、梅ヶ島について
ご紹介したように、ここでは山々に点在する集落で茶畑が切り開かれ、茶の樹が育てられています。
生活するにも厳しい環境で、年々作り手が減少してしまい、
ますます希少なお茶の産地になってしまっていますが、
梅ヶ島地区の茶葉が、力強くも透明感のある滋味を持っているのは、
土地の恵みと、この環境下で茶樹を作っている農家さんのおかげなのだなと感じました。
ティーフートでは梅ヶ島のお茶を煎茶にしてご提供しています。
一年で最も忙しい茶摘み時期にご協力いただいた梅ヶ島の皆さま、ありがとうございました。
この記事を書いた人:こふゆ
梅ヶ島の茶葉を煎茶にしました Drip Tea 煎茶
前回の記事 春の茶畑便り〜 静岡県 梅ヶ島 Part 1 〜